「キンキーブーツ」を観る

映画「キンキーブーツ」を観る。 

  タイトルを直訳すると「変態ブーツ」

ずっと観たいと思いながら、東京ではシャンテ・シネのみの単館上映、
非常に混雑しているとホームページに書いてあるのでなかなか足が向かず
もう少し空いた頃に行こうと思っていたら、10/6までで上映終了と聞き、
(人気があっても次の上映作品が決まっているから終了らしい)駆け込みで鑑賞。
レディースデーに行って満席で入れないとか他の曜日で一般料金を払うとか、
そういうのは避けたいな、と思い、電子チケットぴあで指定席を当日予約しました。

因みに、電子チケットぴあで予約すると、
レディースデー料金1000¥+チケットぴあ手数料200¥、
更にファミリーマートでの紙発券手数料+100¥、なので、少々割高ですが、
一般料金よりお得で、混雑している作品でも中央ブロックの良席を予約できました。

因みに、観客の9割以上は女性。予想通り。


作品の舞台はイングランドの田舎町ノーサンプトン。

小さい頃から靴の製造会社を営む父親から靴の素晴らしさを教えられて育った
チャーリー(ジョエル・エドガートン)だったが、靴作りのセンスも技術も
親の期待に沿うレベルには及ばずパッとしない優柔不断な大人になっていた。
技術もない自分が会社を継ぐ気にもなれないし、田舎から脱出したいし、と
不動産屋勤務の恋人ニッキ(ジェミマ・ルーパー)がロンドン転勤になったのを幸いに
ニッキと共にロンドンに引っ越してしまう。

と思ったのも束の間、耳に届いたのは父親の訃報。

已む無くノーサンプトンに引き返し、自信のないまま会社の社長に納まるが、
父親が隠していた書類を偶然発見、靴を納入していた問屋が倒産していることを知る。

以前、困った時に靴を買い取ってくれたロンドンの問屋に足を運ぶが
東欧製の安くて耐久性のない靴(長持ちしないのですぐ買い換える)を
売りたい問屋に「時代は変わったよ」とけんもほろろに断られる。
パブでヤケ酒を飲んで外に出ると、酔っ払っい達に絡まれる女性が目の前に。
助けようとするが逆に一撃をくらい失神してしまう。
絡まれていた女性に助けられ、彼女の部屋(楽屋)で目が覚めると、
女性は男性でドラッグクイーンのスター、ローラ(キウェテル・イジョフォー)だった。

 この人がローラ かなりのインパクトです 

ドラッグクイーンとは何ぞや? → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A1%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B3

クラブ‘エンジェル’でローラがセクシーな衣装とブーツをまとって歌う姿を観た後、
ノーサンプトンに戻ったチャーリーは、このままでは会社が潰れてしまう、と、
断腸の思いで15人の従業員を解雇するが、
その中の一人、ローレン(サラ=ジェーン・ポッツ)に
「他の靴メーカーの社長は登山靴や乗馬靴、ニッチ市場を開拓している。
 あなたのように‘僕に何ができる?’なんて言ったりしない。」と
捨て台詞を吐かれてしまう。が、その言葉にピンときたチャーリーは、
ローレンにニッチ市場開拓の手伝いを頼み、ロンドンのクラブ‘エンジェル’に連れていく。
ノーサンプトンでは見た事のないドラッグクイーンの姿に唖然とするローレンだったが、
 チャーリーと共にローラの話を聞き
ドラッグクイーン向けのブーツにニッチ市場開拓の可能性を感じる。



この時、ローレンがローラを「服装倒錯者」と呼ぶのですが、
ローラがドラッグクイーンと服装倒錯者の違いを以下のように説明していました。

ドラッグクイーンは、
 カイリー・ミノーグ風だけど

服装倒錯者は
口紅を塗ったエリツィンよ 

カイリー・ミノーグも確かにコスプレがスゴイけれど、ドラッグクイーン、、、か?


早速2人はノーサンプトンに戻り、ローラの試作品を作るが、
試行錯誤しながら作ってます
それを観たローラは、
 期待外れの出来にビックリ
「こんなバーガンディ色で踵の太い靴はダメ、
 赤こそ危険なセックスの色、赤い2本の筒状のセックスを作るのよ!」
とチャーリーに檄を飛ばしてデザイン画を書いて置いて去っていく。
マイクを通して工場内に流れたローラの叫びは靴職人達にも響き渡り、
職人達もデザイン画を観ながら現実に作り出そうと決心する。
結局、ローラもブーツデザイナーとして工場に通うことになるが、
田舎でドラッグクイーンを奇異の目で見る男性の職人達を意識して
男装(本名はサイモン)して出勤するローラの姿は、 
 何となくしっくりこない(左がローラ)
男装して急に自信がなくなったローラは、自分の生い立ちをチャーリーに話す。
幼い頃から女性の靴や服に憧れる服装倒錯者だったが、
絶対的な存在の父親の言うとおりボクサーになった、でも自分を偽りたくないと
ドラッグクイーンの道を歩むことにしたが、その結果父親には絶縁され、
父親の死に目にも会えなかった、というローラの話を聞いたチャーリーは、
父親と常に比較され物足りないと思われる自分と相通ずるものを感じる。

ローラと分かり合えると思い始めたチャーリーは、
亡くなった父親が工場を売却しようとしていたことを知るが、
工場は売却せず自宅を担保に融資を受けて世界的なミラノショーに出品すると決心する。
そして、出品するブーツを職人全員で作っている内、
ローラを馬鹿にした男性職人達もローラに心を開くようになる。
そして、
 出来上がった試作品ブーツに

 ローラは満足しているけれど
 紳士靴しか作っていなかった職人達は複雑

そんなある日、チャーリーがベテランの職人メル(リンダ・バセット)に
「このままの縫い目だとミラノショーに出品できない」と縫い直しを命じると
フル回転で疲れ果てた職人達は仕事をボイコットして帰ってしまう。

出品するブーツは出来上がるのか? そしてミラノショーは成功するの???


取敢えずショーには出るのですが、トラブル発生によりチャーリー自らが
ブーツを履いてステージに上がる姿に
 場内大爆笑

実在の話を元に作った映画だそうで、演出、脚色が入っていたとしても
非常に楽しめる話でした。

ドラッグクイーンというと、

プリシラ

プリシラ

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2002/09/06
  • メディア: DVD

この作品を思い出すのですが、

出演者の中でもドラッグクイーンのローラ役キウェテル・イジョフォーの
弾けた演技がなければこの作品は成り立たなかったかもしれないと思うくらい
一番印象深い役柄でした。
 素顔はこんな人、
が、
 こうなっちゃうんですもん
映画鑑賞後、

ラブ・アクチュアリー

ラブ・アクチュアリー

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

「ラブ・アクチュアリー」でキーラ・ナイトレーが結婚した相手だったことを知り、
あまりの印象の違いに再び驚く私でした。

イギリス映画は出てくる俳優に生活観が滲んでいる上に、
話が嘘くさくないというか身近にありそうな話が多く、
イギリスの湿気ある風土(島国)がどことなく日本に似ているような、
安心した気分で観られるのが良い点で、
今作も期待に違わぬ楽しい作品で温かい気持ちになれました。

そして、人気があるのに10月6日で上演終了というのが惜しい!!!!! 
ともう一度劇場で観たかった「キンキー・ブーツ」でありました。

この記事へのコメント

  • 思わず声を出して笑いそうになりましたよ。噂は聞いていましたがこれほどとは・・・。それにしても役者さんというのはたいへんそうですね。とくにローラ役なんかは・・・。
    2006年10月06日 03:55
  • kikuzou

    おもしろそうだなぁ。英国の映像って好きなんで見てみたい。
    ギャグセンスも昔から秀一ですよね。モンティパイソンとか。
    2006年10月06日 06:46
  • うつぼ

    cocoa051さん、
    決してキワモノではないのですが、とにかく笑えました。そして、観終わった後、ほんわかした気分になれる作品です。こういう映画を観ると俳優というのは大変な職業だなあ、と思いますね。
    2006年10月06日 22:57
  • うつぼ

    kikuzouさん、
    英国の笑い、って何となく親近感が湧きますよね。笑わせながらジンとくる映画はハリウッド映画にもありますがイギリス映画の方が等身大の感覚で観られるような気がします。モンティパイソンは知っていて興味もあるのですがあまり観たことがないので、今度ビデオ借りてみようと思います。
    2006年10月06日 23:01

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