アホな忘年会の話ばかり続けた後に真面目な映画のことを書くのもなんですが。(笑)
レンタルDVDで「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」を観る。 2005年キース・フルトン&ルイス・ペペ監督作品
1956年、イギリス東海岸のレストレンジ岬で生まれた結合体双生児のトムとバリー。
(演じているのはハリー&ルーク・トレッダウェイ)
2人が生まれた直後に母は亡くなり、父が2人を世間から隔絶させるように暮していたが、
ある日、父が見世物の興行主(ハワード・アットフィールド)に18歳になった2人を売り飛ばしてしまう。
初めて外の世界を知ることになる2人。 興業主は2人を厳しく練習させ、
「ザ・バンバン」というパンクバンドのボーカルとギターとして1975年1月にデビューさせる。 胸の部分で結合する2人が
歌いギターを弾くという姿に会場の小さなライブハウスは盛り上がり
デビューライブは成功裡に終わる。
新曲を発表し、マスコミにも取り上げられるようになると、
取材の為に記者のローラ(タニア・エメリー)がやってきたり
2人を題材とした映画の撮影の為に映画監督のケン・ラッセル(本人)がやってきたり、と、
2人の周りが急に騒がしくなる。。
温和で社交的なトム(ギター)と繊細で凶暴なバリー(ボーカル)。
注目されるようになってからの2人は薬物に溺れていき、、
1975年10月のライブでは遂にバリーの薬物過剰摂取が原因で事故が起き途中で中止。。。
結局このライブを最後に2人は生まれ育ったレストレンジ岬に戻りひっそりと暮すようになるが
しばらくして2人の死体が見つかる。
先に死んだのはバリー。 トムはバリーを切り離そうとしながら追うように亡くなったのだった。。
最初、ドキュメンタリー風の画像に合わせて、
現在の(年を取った)ローラやケン・ラッセルが出演してコメントしたり、、
というつくりにてっきりドキュメンタリー映画だと思って観ていたのですが左に非ずで、
Brian Aldiss原作(1977年発表)の
フィクション作品を映画化したものだそうです。
一応フィクション、ということですが、実在のバンドを描いたのかどうか、、、
そこまでは調べたのですがよく分からず。
イギリスの話ですから、もしかしたら実在のバンドを描いた、、、といっても有り得るような。
胸の部分で結合しているトムとバリーが世の中から隔絶されて育った後、
興行主に売り飛ばされて一種見世物的な形でデビューする、という設定に驚いたのですが、 演じるトレッダウェイ兄弟の好演もあって(萌えました)
一般の観客には結果的に見世物というよりは一ミュージシャンとして受け容れられる2人の姿に
引き込まれるように観終わりました。。。
結合体双生児、というとべトちゃん、ドクちゃんを思い浮かべますが、
医学的に分離するのがもし可能であっても、大人になってから手術するとなると、
いつも一緒にいて精神的にも支えあっている2人だけに難しい部分も大きいのかな、などと、
この映画で分離して別々の人間になったもののお互い心細くなってしまう双子の兄弟の映画を
(マット・デイモンとグレッグ・キニアが演じています)
思い出しました。
ただ、「ふたりにクギづけ」は到って明るく描いているのでアッハッハと笑ったりできたのですが、
今作はドキュメンタリー風に作られているので笑う部分もなく観ていて切なくなってしまい。。。
また、見世物、、というイメージで思い出したのが、この2本。
どうしてもこういう作品を思い浮かべてしまうのですが、
(観ても楽しい映画ではありませんしね)
この2本よりはパンク調の音楽が全編に流れているのもあって比較的見やすいかなと思います。
胸の部分で繋がるトムとバリー2人の上半身裸のシーンもあったりして
「これは本物?CG?」などと思ったり、2人を利用して儲けようとする邪悪な人間に腹が立ったり
2人の悲しい結末にグッときたり、、と笑える映画ではありませんが、
観終わった後、自分が五体満足で日々穏やかに過ごせることに感謝した
「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」でありました。
(おまけ)
1970年代のUKサウンド(パンク)がお好きな方にはサントラもおススメですよ。↓

「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」オリジナル・サウンドトラック Feat.ザ・バンバン
- アーティスト: サントラ, ザ・バンバン, クライヴズ・ハイ・ファイヴ, ザ・ノイズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2007/01/11
- メディア: CD
この記事へのコメント
kikuzou
しかし、うつぼさんから「萌え」って単語が出るとは意外でつ。
うつぼ
こんな映画ネタにまでコメントいただき恐縮です。。
ハリウッド映画だと取敢えず予定調和的なエンディングが多いのですが、イギリス映画だとなかなかありませんね。私も楽しい映画が好きですが、たまにはこういうものも観たりします。
>「萌え」
中年になってから若くてきれいなものには萌えますねぇ。
kikuzouさん同様にすっかりオヤジでつ。(笑)